| 【携帯HPパーツはChip!!】 | 【枠なし表示】 |
2010年05月28日(Fri) 【兆候<８>】 ドッペリゲンガーをご存じだろうか？自分と全く同じ容貌をしている、自分のクローンのような存在がいるという、心霊現象の一つだそうだ。 もし自分がそのドッペルゲンガーと出くわしてしまったら、自分はそのドッペルゲンガーに支配されてしまうという。 「ちょっとまって下さい下さい下さい。またもや僕の記憶に一切無い新事実が明らかになったようですが、僕が依頼人？あなたに？冗談でしょう？」 「本当だよ。その事情を話す前に、まずお前の言いたいことから聞いておく」 「矛盾点は先ほど話しましたし、答えもわかりました。それで一旦解決です」 「そうかい。じゃあ話させてもらおう。まあよくある、ドッペルゲンガーってやつだよ。一部の学者の話じゃぁ、それはただの二重人格障害だとかも言われているがね。つまり、お前がもう1人いる。ただのそっくりさんじゃなく、お前が。」 「それはまた、ロマンチックな話ですね。で、そいつがあなたに依頼をしたのに、お金を払わないと、そういうことですか」 「まぁな。で、そいつの目的がまた恐怖でよ、それがお前の部屋を破壊する意味にも繋がるんだな。」 「そうなんですか、興味深いです」 「お前を、破壊しようとしている」 よくわからない。どういう比喩なんだろう。 「お前に関するものをどんどん破壊し、そしてどんどんお前を薄れさせていく。濃度を低くしていくんだ、お前という人間の。そしてその、ドッペルゲンガーのほうがどんどん成長していく。濃度が高くなっていくんだ。つまり、いつかはお前、消えるぞ」 「それは困りましたね。なんとかしなくちゃ。で、どうすればいいんです？」 「簡単だよ。そいつを、殺す、それだけ」 あぁ、さっき言ってた人探しのバイトとは、これのことか。なるほどなるほど。にしても、自分を殺すというのは、それはそれは奇妙なもんだなぁ。 「殺すだけとは、いたってシンプルでやり易そうですね。頑張ってみます」 「じゃ、取引成立ってことで？」 「はい、分かりました」 なんだか少し不安は残ったが、まぁこれで大丈夫だろう。部屋が消えた理由も、少々不可解ながらも、なんとか合理化すればまぁありかな。 「話がわかるやつで助かったよ。やつを殺すのは早いほうがいい、明日にでも早速取り掛かろう。でないとお前の命が危ないからな」 「親切ですね、それはどうも。で、あなたが貰うべき依頼金はどうするんです？」 「やつを消した後、お前からきっちり貰うよ」 「･･････」 あれ？なんか僕、騙されてないか？気のせいなのか？ まぁいいや、難しいことは、わかんない。 「では今度こそまた明日、夕方の5時頃にこの家に来ることにするよ」 「はい、わかりました。今度はちゃんと約束、守って下さいね」 「わぁってるよ。じゃ、そういうことでまた」 男は軽く右手を挙げ、家の外に出たかと思うと、すぐさま素早い動きで去って行った。 僕は考える。 あぁ。 やっぱり。 矛盾しているじゃないか。 おかしい。 流されてしまった。 第一に、1番わかりやすいものから言うと、あの男のメリットが無い。見たところお人好しではなさそうだし、ボランティアでこんなことはやっていないはずだ。お金貰うとか言ってたし。だから、やつが自分に利益のないことをするはずがない。 依頼金が欲しいんだけなんだろう？だったらそんな正規ルートを使わなくとも色々あるはずだ。なんでわざわざ、僕に真実を打ち明け、その2人目の僕を殺させ、壱件落着した後で僕からお金を取るんだ？ そんなことをしなくとも。 例の大麻の件で、僕を脅して、カツアゲするという手もある。 それに、あいつが自分で2人目を殺しに行ってもいいじゃないか。なんで僕にさせる。 というか。 根本的なことからおかしい。 どうしてそんなに お金にこだわる？ 別に、口約束を反故にされることなんて、よくあることだろうから、仕方ないと流してもいいだろうに。 そんな大金なのか？ なら僕は払えないけど。 どうしてそんなに、お金にこだわる必要があるんだ？ 僕は再び考える。 まだまだ矛盾はありそうだ。 00:25 ｺﾒﾝﾄ(0)/ﾄﾗﾊﾞ(0) [ｺﾒﾝﾄを書く] 重要なお知らせ@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
友達に教える ﾌﾞﾛｸﾞ[編集][作成] ひまつぶしめにゅ～ by 凸ﾘｱﾙ Chip!!ﾌﾞﾛｸﾞ作成/ﾎﾑﾍﾟ/ﾒﾙﾎﾞ |